陸上自衛隊スキャンイーグル無人偵察機が訓練中に行方不明(JSF) Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20211124-00269629
2021/11/24(水)
11月23日、陸上自衛隊の無人機が種子島沖で通信途絶し海上に墜落したと見られ捜索中です。ボーイング・インシツ社製の無人機「スキャンイーグル」は重量13kgの小型固定翼無人機で、価格は比較的安価な機体です。元はマグロ魚群探査用に開発された民間用無人機「シースキャン」を軍事転用したもので、陸上自衛隊では発展型の「スキャンイーグル2」を無人偵察機(中域用)として採用しています。
打ち上げ前のカタパルトに設置されたスキャンイーグルUAV。
Gunnery Sergeant Shannon Arledge of the 2nd Marine Aircraft Wing,
Public domain, via Wikimedia Commons
ボーイング スキャンイーグルとは
Boeing: ボーイング・ジャパン - スキャンイーグル無人航空機スキャンイーグルは、滞空時間の長い自律型無人偵察機で、ボーイングの100%子会社であるインシツ社(Insitu Inc)によって開発され、2004年に米海兵隊が、翌2005年には米海軍で運用を開始しています。
低コストで滞空時間が長く、昼夜を通した情報収集、偵察、監視活動を実行することが出来、官・民を問わず、様々な用途で柔軟かつ迅速な運用が可能です。
翼幅は約10フィートで、空圧式のカタパルトから発射、帰還したスキャンイーグルは、「スカイフック」と称する50フィートの高さのタワーからつるしたケーブルで捕捉することから、離発着用の滑走路を必要としません。
飛行は、事前に入力されたプログラム、あるいはGPSと搭載されたフライトコンピュータを利用したオペレータの操作によって行われ、滞空時間は24時間以上、30時間以上のミッションへの対応も可能です。
デザインはモジュール式で、信頼性、順応性の高い仕様となっています。運用や保守も簡素化しており、アップグレード用キットにより、短時間で新機能を搭載することが出来ます。
スキャンイーグルは、電子光学あるいは赤外線カメラを搭載し、厳しい環境下での飛行が可能です。各種赤外線画像装置から直接通信可能な範囲を拡張するCRP(Communications Relay Payload)まで、多岐にわたるオプションの適用も可能です。
また、運用現場のニーズに応えた数多くの新技術が搭載されており、2006年には、重燃料エンジンによってロジスティクスやシステム機能を向上、2007年にはハッシュ・エンジンによって音響信号の軽減を実現(特に夜間や悪天候下で)、2009年には高出力発射機により高高度、低密度下での発射性能を高めています。
他にも、上空で他機体との衝突を回避するエンコーディング・トランスポンダー、遠隔ビデオ端末の相互運用、改良型燃料計測システム、遠距離探索用の自動船舶識別データ受信性能、NATOのSTANAG4586スタンダードへの適合などをはじめとして数多くの改善が施されており、すでに実証されているスキャンイーグルの信頼性をさらに向上しています。
機体仕様
全幅 : 3.11m
全長 : 1.37m
機体重量:13.1kg
最高速度: 秒速41m
滞空時間:24時間以上
発射 : 空圧式ウェッジカタバルト
着艦 : スカイフック捕捉システム
低コストで滞空時間が長く、昼夜を通した情報収集、偵察、監視活動を実行することが出来、官・民を問わず、様々な用途で柔軟かつ迅速な運用が可能です。
翼幅は約10フィートで、空圧式のカタパルトから発射、帰還したスキャンイーグルは、「スカイフック」と称する50フィートの高さのタワーからつるしたケーブルで捕捉することから、離発着用の滑走路を必要としません。
飛行は、事前に入力されたプログラム、あるいはGPSと搭載されたフライトコンピュータを利用したオペレータの操作によって行われ、滞空時間は24時間以上、30時間以上のミッションへの対応も可能です。
デザインはモジュール式で、信頼性、順応性の高い仕様となっています。運用や保守も簡素化しており、アップグレード用キットにより、短時間で新機能を搭載することが出来ます。
スキャンイーグルは、電子光学あるいは赤外線カメラを搭載し、厳しい環境下での飛行が可能です。各種赤外線画像装置から直接通信可能な範囲を拡張するCRP(Communications Relay Payload)まで、多岐にわたるオプションの適用も可能です。
また、運用現場のニーズに応えた数多くの新技術が搭載されており、2006年には、重燃料エンジンによってロジスティクスやシステム機能を向上、2007年にはハッシュ・エンジンによって音響信号の軽減を実現(特に夜間や悪天候下で)、2009年には高出力発射機により高高度、低密度下での発射性能を高めています。
他にも、上空で他機体との衝突を回避するエンコーディング・トランスポンダー、遠隔ビデオ端末の相互運用、改良型燃料計測システム、遠距離探索用の自動船舶識別データ受信性能、NATOのSTANAG4586スタンダードへの適合などをはじめとして数多くの改善が施されており、すでに実証されているスキャンイーグルの信頼性をさらに向上しています。
機体仕様
全幅 : 3.11m
全長 : 1.37m
機体重量:13.1kg
最高速度: 秒速41m
滞空時間:24時間以上
発射 : 空圧式ウェッジカタバルト
着艦 : スカイフック捕捉システム
陸上自衛隊 ニュースリリース 令和4年8月5日
https://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2022/pdf/20220805_1700.pdf
小型無人偵察機スキャンイーグルの行方不明事案に係る調査結果、
再発防止策及び飛行訓練の再開について
令和3年11月23日(火)に鹿児島県旧種子島空港より南東約25km地点の洋上で発生した小型無人偵察機スキャンイーグルの行方不明事案に係る調査結果、再発防止策及び飛行訓練の再開について下記のとおりお知らせします。
1 調査結果
(1) 事案の概要
令和3年11月23日(火)、自衛隊統合演習(JX)における統合対艦訓練を実施中、旧種子島空港から離陸させ情報収集訓練を実施していたスキャンイーグルの通信が途絶し、自動的に帰投する機能が作動していたものの行方不明となる事案が発生
(2) 事案の原因
機体未回収により、機体に記録されているデータ解析による詳細な原因分析ができず、断定することはできないものの、調査の結果、この自動帰投中の「機体の傾き角」(バンク角)がプログラムの設定上不足しており、さらに強風の影響も相まって、予定の航路に復帰しきれずに航路を逸脱したため、安全機能によりエンジンが停止し、洋上に着水、水没した可能性が高いものと判断
【参考】
スキャンイーグルは、機体と地上装置の間の通信途絶が発生した場合、事前に設定していた非常着陸帯に向けて自動的に帰投する仕様であるものの、この自動帰投中に予定されていた航路を大幅に逸脱した場合、周囲の安全を確保するため、エンジンを停止し、その場で旋回しつつ落着する仕様
2 再発防止策(機体のソフトウェア更新及び確認・点検)
陸上自衛隊の各部隊と企業が連携して機体のソフトウェア更新を実施するとともに、企業による機体の確認・点検を完了
3 飛行訓練の再開
各部隊の計画により順次訓練を開始
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