美しい比率 貴金属比「黄金比」「白銀比」「青銅比」

2022/08/05

雑学 法則

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 「黄金比」「白銀比」「青銅比」「白金比」「第2黄金比」とは?

限られた空間において、物体を配置する場合のバランス(比率)には一般的に美しく整って安定して感じられる比率があると言われている。これらを「貴金属比」「黄金比」「白銀比」「青銅比」などと呼び、絵画や写真の構図やデザイン、建築物の設計などに意識的に取り入れられている。また、自然界の生物の構造など(フィボナッチ数列「前の2つの数を加えると次の数になる」というルール)でもこれを見ることができる。

数学において、貴金属比(metallic ratio)とは、

1:(n+√(n^2+4))/2=1:X
n=1 の場合 1:(n+√(n^2+4))/2=(1+√(1^2+4))/2=1.61803399:1 第1貴金属比 黄金比

n=2 の場合 1:(n+√(n^2+4))/2=(2+√(2^2+4))/2=2.41421356:1 第2貴金属比 白銀比

n=3 の場合 1:(n+√(n^2+4))/2=(3+√(3^2+4))/2=3.30277564:1 第3貴金属比 青銅比


nを貴金属数といい、第n貴金属比
すなわち、n=1 の場合 第「1」貴金属比と表される。

1~3の貴金属比を1から順に金、銀、銅とした。

第1貴金属比 黄金比(golden ratio)   1:1.61803399
第2貴金属比 白銀比(silver ratio)   1:2.41421356
第3貴金属比 青銅比(bronze ratio)   1:3.30277564

白銀比には  第2貴金属比 白銀比とは別に、1:√2=1:1.414を表す白銀比がある。
一般的には1:√2=1:1.414の方を白銀比とすることの方が多い。
また二つを区別するため、第2貴金属比の白銀比(1:2.41421356)を第2白銀比と呼ぶ場合がある。これは、「第2貴金属比の方の白銀比」を短縮して「第2白銀比」になったと推測する。また白銀比(1:1.414)は「大和比」とも呼ばれ、日本の世界最古の現存する木造建築物である法隆寺の金堂や五重塔、国内の神社仏閣、仏像や仏具にも使用されており、「日本人が美しいと感じる」とされている。

貴金属比以外にも美しく整っているとされる比率はある。

白金比(platinum ratio)貴金属比ではない。正三角形の底辺の1/2の長さとその正三角形の高さの比に等しい定数 1:√3=1:1.73205081(1:1.732)

第2黄金比 「貴金属比」ではないが、黄金比に近い比率であるため「第2黄金比」といわれている。1:(3+√5)/2=2.61803399:1 (1:2.618)


実際にこれらの比率を利用した物、比率が見られるもの

「黄金比」名刺をはじめとする様々なカード類の寸法 パルテノン神殿の高さと横幅やピラミッド高さと底辺の長さといった歴史的建造物 自然界に存在する植物の葉脈や巻貝の断面図など

「白銀比」ISO 216規格で定められる紙の寸法は 1 : √2 白銀長方形となっている 写真レンズの開口比(いわゆる絞り値、F値)の1, 1.4, 2, 2.8, 4, 5.6, 8, …


黄金比とフィボナッチ数列

フィボナッチ数列は、1202年にイタリアの数学者レオナルド=フィボナッチ(Leonardo Fibonacci)によって発見された。

フィボナッチが考えたのは、つがいのうさぎの増えかたについてで、子うさぎのつがいは1ヶ月でおとなのつがいになり、2ヶ月目から親うさぎになり、毎月つがいの子うさぎを産む。
こうしたルールに従うと、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144…という数列が見られる。
どの数もその前の2つの数を足し合わせたものになっている。

自然界のフィボナッチ数列

一見無秩序に見えるが、植物の形などにも、数や形の法則が隠されている。
例えば

松ぼっくりのウロコ模様の螺旋。
右回りに13列あり、螺旋は反対方向にも回転しており、左周りの螺旋は8列。

サボテンの棘の螺旋。
右回りに13列、左周りに21列。

ひまわりのタネの螺旋。
右回りに21列、左周りに34列

花びらの数。
日々草の花びらは5枚
クレマチスの花びらは8枚
マーガレットの花びらは21枚

こうした自然界の数を拾い出していくと、5、8、13、21、34の数列が導き出される。

植物は長い時間をかけて進化し、進化の過程によりもっとも安定して効率的な形になり、その形がフィボナッチ数列の数となっているのではないかといわれる。
Golden ratio in action
Golden ratio in action


フィボナッチ数列と黄金比の関係

フィボナッチ数列で表される数字の中で 55と89 の、比率は、1:1.618 と黄金比と近似している。

黄金比率の長方形は正方形で区切るり、一番小さな正方形の1辺を1とすると、各正方形の辺の長さは、1、1、2、3、5、8、13、21となる。
各正方形の辺の長さを半径とした曲線をつなぎ合わせると綺麗な螺旋を描くことができる。
この美しい螺旋は、オウムガイの渦巻きと同じなのはよく知られている。
このように、フィボナッチ数列と黄金比は密接に関係しており、自然界にある安定した数値、生物の進化過程の中で導かれた数値がこの黄金比率を作り上げているのではないかといわれる。
Fibonacci spiral
Fibonacci spiral
Jcw888usCC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


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