国際宇宙ステーション(ISS)での国際協力の関係が続くのだろうか。
ロシアのウクライナ侵攻でロシアとの関係が悪化する中「ISSだけは別」「宇宙では協力」とはいかない。
ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のISSに関するニュースの時系列を調べてみた。
CNN : 宇宙ステーション協力関係、対ロ制裁で「損なわれる」可能性 ロシア宇宙機関
https://www.cnn.co.jp/fringe/35184050.html2022年2月25日
(CNN) ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて米政府が発表した対ロシア制裁をめぐり、ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のドミトリー・ロゴジン総裁は、国際宇宙ステーション(ISS)に関する米国との協力関係が「損なわれる」可能性があるとの認識を示した。ISSでは現在、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士4人とロシアの2人、欧州の1人が共同で生活している。
米国のジョー・バイデン大統領は、24日に発表した新たな制裁によって、ロシアの航空宇宙産業は弱体化すると強調した。これを受けてロゴジン総裁はツイッターに、ISSの軌道や宇宙空間での位置はロシアのエンジンによって制御されていると書き込んだ。
「我々との協力関係を断ち切れば、ISSが制御不能になって軌道を外れ、米国あるいは欧州に落下する事態を誰が救うのか」「500トンの構造物がインドと中国に落下する可能性もある。そうした展望で彼らを脅かしたいのか。ISSはロシア上空を飛行しない。つまり全てのリスクはあなた方のものだ。その用意はあるのか?」。ロゴジン総裁はそうツイートしている。
ISSが米や中国に落下したら…ロシア側「誰が防ぐのか」と米けん制 : 読売新聞オンライン
2022年04月10日ロシアがウクライナ侵攻を受けた経済制裁に反発し、国際宇宙ステーション(ISS)を巡る協力をたてに解除を求める構えを強めている。その動向次第で、米国が模索するISSの運用延長にも影響しかねない。東西冷戦後の融和の象徴だった宇宙協力に深刻な影を落としている。
ISSで高度の制御という重要な役割を担っているのはロシアの宇宙機関「ロスコスモス」だ。同社のドミトリー・ロゴジン社長が「我々との協力をやめたら、ISSが米国やカナダ、中国やインドに落下するのを誰が防ぐのか」と威嚇したSNSの投稿が、今も波紋を呼んでいる。
ロスコスモスは3月3日、米民間宇宙企業にロシア製のロケットエンジンの供給を停止すると発表。欧州宇宙機関(ESA)の仏領ギアナにある宇宙発射基地からロシア人技術者50人以上を撤退させ、ESAは衛星測位システム「ガリレオ」や天文観測衛星「ユークリッド」の打ち上げ延期を余儀なくされた。ソユーズによる英衛星通信企業の衛星打ち上げも「軍事目的で利用しない保証が確認できない」として、延期した。
米ロ、宇宙分野では協力 ISSに向け相手国宇宙船利用で合意 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-russia-space-idJPKBN2OT0BB2022年7月18日
ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ 国営企業社長が表明:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072601115&g=pol2022年07月26日
ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ 国営企業社長が表明
ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのボリソフ社長は26日、プーチン大統領と面会し、ロシアが日本や欧米などと共同で運用する国際宇宙ステーション(ISS)に関し、2024年までの共同運用終了後の撤退は「決定している」と述べた。
ISSの運用と各国の果たす役割
JAXAのサイトよりhttps://humans-in-space.jaxa.jp/iss/about/partner/
ISSにおけるロシアに依存する機能について
宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会文部科学省 研究開発局宇宙開発利用課より 平成26年(2014年)06月の資料として出されている。クリミア危機の直後であることから、今回のウクライナ侵攻と同様にロシアとの関係悪化を懸念してISSのロシア依存の問題が顕在化したのではないかと想像する。
ISSにおけるロシアに依存する機能について:文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/attach/1343667.htmISS運用における技術的影響
- 電力、通信制御、熱制御
米国側システムが冗長系を含めて機能を確保する見通し。 - 環境制御・衛生管理 酸素生成機能については、開発中の空気再生システム(2017年頃搭載予定)の実証利用や故障時を想定した予備品確保等により、冗長系も含めてほぼ確保できる見通し。
トイレが単系(冗長なし)となり、かつロシア製であるが、消耗品及び補用品を商業ベースでロシアからあらかじめ調達したり、バックアップとしてクルー輸送機のトイレを使用することにより所要の機能を確保できる見通し。
上記より、環境制御・衛生管理機能は、ほぼ確保できる見通し。 - 搭乗員輸送・緊急帰還機能
現在は、ロシアのソユーズ宇宙船に依存しているが、米国が民間輸送機(2017年打上げを目途に開発中)により確保する予定。 - 姿勢制御・軌道制御
姿勢制御・軌道制御については、プログレス及びロシア側サービスモジュールのスラスタで行っているが、商業ベースでのロシアへの委託、米側物資補給機等の改造、新たな推進モジュールの開発・取付け等の代替策の検討が必要。
共通システム運用経費(CSOC)への影響
シグナス輸送機がエンジンを始動させ、ステーションを限定的にリブースト
Cygnus Cargo Craft Fires Engine for Limited Station Reboost – Space Station
June 25, 2022
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2022/06/25/cygnus-cargo-craft-fires-engine-for-limited-station-reboost/
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