ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ「ISSだけは別」「宇宙では協力」とはならないか

2022/07/27

ISS ニュース 宇宙

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国際宇宙ステーション(ISS)での国際協力の関係が続くのだろうか。
ロシアのウクライナ侵攻でロシアとの関係が悪化する中「ISSだけは別」「宇宙では協力」とはいかない。
ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のISSに関するニュースの時系列を調べてみた。

Cygnus departure from Space Station

CNN : 宇宙ステーション協力関係、対ロ制裁で「損なわれる」可能性 ロシア宇宙機関

https://www.cnn.co.jp/fringe/35184050.html

2022年2月25日
(CNN) ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて米政府が発表した対ロシア制裁をめぐり、ロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のドミトリー・ロゴジン総裁は、国際宇宙ステーション(ISS)に関する米国との協力関係が「損なわれる」可能性があるとの認識を示した。ISSでは現在、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士4人とロシアの2人、欧州の1人が共同で生活している。

米国のジョー・バイデン大統領は、24日に発表した新たな制裁によって、ロシアの航空宇宙産業は弱体化すると強調した。これを受けてロゴジン総裁はツイッターに、ISSの軌道や宇宙空間での位置はロシアのエンジンによって制御されていると書き込んだ。

「我々との協力関係を断ち切れば、ISSが制御不能になって軌道を外れ、米国あるいは欧州に落下する事態を誰が救うのか」「500トンの構造物がインドと中国に落下する可能性もある。そうした展望で彼らを脅かしたいのか。ISSはロシア上空を飛行しない。つまり全てのリスクはあなた方のものだ。その用意はあるのか?」。ロゴジン総裁はそうツイートしている。



ISSが米や中国に落下したら…ロシア側「誰が防ぐのか」と米けん制 : 読売新聞オンライン 

2022年04月10日
ロシアがウクライナ侵攻を受けた経済制裁に反発し、国際宇宙ステーション(ISS)を巡る協力をたてに解除を求める構えを強めている。その動向次第で、米国が模索するISSの運用延長にも影響しかねない。東西冷戦後の融和の象徴だった宇宙協力に深刻な影を落としている。
ISSで高度の制御という重要な役割を担っているのはロシアの宇宙機関「ロスコスモス」だ。同社のドミトリー・ロゴジン社長が「我々との協力をやめたら、ISSが米国やカナダ、中国やインドに落下するのを誰が防ぐのか」と威嚇したSNSの投稿が、今も波紋を呼んでいる。
ロスコスモスは3月3日、米民間宇宙企業にロシア製のロケットエンジンの供給を停止すると発表。欧州宇宙機関(ESA)の仏領ギアナにある宇宙発射基地からロシア人技術者50人以上を撤退させ、ESAは衛星測位システム「ガリレオ」や天文観測衛星「ユークリッド」の打ち上げ延期を余儀なくされた。ソユーズによる英衛星通信企業の衛星打ち上げも「軍事目的で利用しない保証が確認できない」として、延期した。

米ロ、宇宙分野では協力 ISSに向け相手国宇宙船利用で合意 | ロイター 

https://jp.reuters.com/article/usa-russia-space-idJPKBN2OT0BB
2022年7月18日
[15日 ロイター] - 米航空宇宙局(NASA)とロシア国営宇宙企業ロスコスモスは15日、自国の宇宙飛行士が相手国の宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かうことを可能とする協定に署名したと発表した。
ロスコスモスは「この協定はロシアと米国の利益となり、ISSプログラムの枠組みに基づく協力の発展を促進する」とし「平和目的の宇宙探査」を促進すると表明した。

ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ 国営企業社長が表明:時事ドットコム 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072601115&g=pol
2022年07月26日
ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ 国営企業社長が表明
 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのボリソフ社長は26日、プーチン大統領と面会し、ロシアが日本や欧米などと共同で運用する国際宇宙ステーション(ISS)に関し、2024年までの共同運用終了後の撤退は「決定している」と述べた。
 ロシアと日米欧などは24年まではISSを共同で運用することで合意しているが、ボリソフ氏は、宇宙開発担当の副首相を務めていた昨年、撤退の方針を表明していた。
 ボリソフ氏はプーチン氏との面会で「もちろんパートナーに対するすべての義務は果たす」とした上で、共同運用終了後に撤退すると説明。その頃までにはロシア独自の宇宙ステーションが展開されていると主張した。プーチン氏は「了解した」と応じた。タス通信によれば、ペスコフ大統領報道官は26日、ISS撤退の決定は「以前に行われていた」と語った。

ISSの運用と各国の果たす役割

JAXAのサイトより
https://humans-in-space.jaxa.jp/iss/about/partner/
国際宇宙ステーション(ISS)は、1998年に宇宙での建設が始まり、2011年7月に完成しました。2000年11月からは3名の宇宙飛行士がISSに滞在を開始し、現在6名体制で運用を行っています。

米国がISS全体の運用について調整を行い、米国、ロシア、日本、欧州(ESAの11ヶ国)、カナダの各国・機関がそれぞれ開発したISSのシステムや装置を、責任をもって運用します。
ISSは軌道・姿勢制御や電力、内部環境などをコントロールする「システム運用」と、搭載されている研究実験用の各種機器をコントロールする「実験運用」のふたつの面から運用されます。

ロシア以外の国際パートナーとISS間の通信連絡は、米国のホワイトサンズ地上局と米国のデータ中継衛星(TDRS)を経由して行われます。ロシアはロシア国内の衛星追跡局を活用し、ISSとの直接交信が可能な時間帯にのみISSとの通信連絡を行い、TDRS はバックアップとして使用します。また、2021年からは、欧州データ中継システム(European Data Relay System)で、ヨーロッパとも直接通信をしています。

ISSにおけるロシアに依存する機能について

宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会
文部科学省 研究開発局宇宙開発利用課より 平成26年(2014年)06月の資料として出されている。クリミア危機の直後であることから、今回のウクライナ侵攻と同様にロシアとの関係悪化を懸念してISSのロシア依存の問題が顕在化したのではないかと想像する。

ISSにおけるロシアに依存する機能について:文部科学省 

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/attach/1343667.htm

 ISS運用における技術的影響

  1. 電力、通信制御、熱制御
    米国側システムが冗長系を含めて機能を確保する見通し。

  2. 環境制御・衛生管理 酸素生成機能については、開発中の空気再生システム(2017年頃搭載予定)の実証利用や故障時を想定した予備品確保等により、冗長系も含めてほぼ確保できる見通し。 
    トイレが単系(冗長なし)となり、かつロシア製であるが、消耗品及び補用品を商業ベースでロシアからあらかじめ調達したり、バックアップとしてクルー輸送機のトイレを使用することにより所要の機能を確保できる見通し。 
    上記より、環境制御・衛生管理機能は、ほぼ確保できる見通し。

  3. 搭乗員輸送・緊急帰還機能 
    現在は、ロシアのソユーズ宇宙船に依存しているが、米国が民間輸送機(2017年打上げを目途に開発中)により確保する予定。

  4. 姿勢制御・軌道制御 
    姿勢制御・軌道制御については、プログレス及びロシア側サービスモジュールのスラスタで行っているが、商業ベースでのロシアへの委託、米側物資補給機等の改造、新たな推進モジュールの開発・取付け等の代替策の検討が必要。 

共通システム運用経費(CSOC)への影響 

  4.について流動的ではあるものの、共通システム運用経費へのインパクトはおおむね限定的と見られる。

シグナス輸送機がエンジンを始動させ、ステーションを限定的にリブースト
Cygnus Cargo Craft Fires Engine for Limited Station Reboost – Space Station
June 25, 2022
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2022/06/25/cygnus-cargo-craft-fires-engine-for-limited-station-reboost/
2022年6月6月25日(土)、ノースロップ・グラマン社の「シグナス」が、国際宇宙ステーションの最初の限定的なリバブーストを完了しました。「シグナス」のジンバル式デルタ速度エンジンは、宇宙ステーションの高度を再上昇させることによって、宇宙ステーションの軌道を調整するために使われた。このマヌーバは5分1秒続き、遠地点で1/10マイル、近地点で5/10マイル、ステーションの高度を引き上げました。今回のシグナスミッションは、2018年にシグナスの第9回補給ミッションで実施されたマヌーバのテストに続き、NASAの標準サービスとしてこの強化された能力を搭載する最初のミッションとなります。シグナスは2月に軌道上の前哨基地に到着し、6月28日(火)に宇宙ステーションを出発し、地球の大気圏で無害に燃え尽きる予定です。

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自営無線通信のエンジニアをしていました。現在はコンピュータ系。理科っぽいものが好きなので、電子工作、BCL、アマチュア無線、RCカー、カブトムシ、金魚、熱帯魚、自作コンピュータ、カメラ、ドローンなど一通り通過しております。 現在は、飛ぶものと昔のものに興味があります。

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