TLE(二行軌道要素/Two Line Elements)のフォーマット

2022/05/05

ひまわり8号 宇宙 人工衛星

t f B! P L

NORAD 一般的な摂動(せつどう)データ

NORAD General Perturbations (GP) Element SetsCurrent Data

地球を周回する物体がどの位置にあるのかを計算するためには軌道要素(ある物体の軌道を決定するためのパラメータ)が必要になる。

TLE(二行軌道要素/Two Line Elements)とは
現在衛星がどこにいて、将来どのような動きをするのかを計算する際の基準となるデータで、TLEには衛星の位置や軌道の形、衛星を識別番号といった情報を含んでいる。実際に使用するTLEは、NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部) より公開されるデータを使用することができる。

NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)とは
北アメリカ(アメリカ合衆国とカナダ)の航空や宇宙に関して、観測または危険の早期発見を目的として設置されている。24時間体制で人工衛星の状況の観測、地球上の核ミサイル・弾道ミサイルの発射警戒や、戦略爆撃機の動向監視などを行っている。クリスマスには上空を移動するサンタクロースの追跡も重要な任務らしい。

NORAD General Perturbations (GP) Element SetsCurrent Data
NORAD General Perturbations (GP) Element SetsCurrent Data
https://celestrak.org/NORAD/elements/

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例 気象衛星ひまわり8号のTLE
HIMAWARI-8

1 40267U 14060A   22123.84424494 -.00000272  00000+0  00000+0 0  9999
2 40267   0.0097 232.7222 0000372 144.4123 289.1553  1.00269285 27665


2行軌道要素形式(Two-line elements : TLE)は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) と北アメリカ航空宇宙防衛司令部 (NORAD) が現在でも使用している、人工衛星の地心座標系におけるケプラー軌道要素のテキスト形式のフォーマットである。元来は初期のコンピューターの80桁のパンチカード用として設計されたフォーマットであるが、さまざまな分野で非常に普及しており、また他のいかなるフォーマットと比べても遜色なく働くことから、現在でも使用されている。

対象となる軌道にもよるが、更新から30日以上経過した2行軌道要素形式を用いて計算された値は、信頼性に欠ける可能性がある。衛星の軌道上の位置は、2行軌道要素形式から、SGP、SGP4、SDP4、SGP8、SDP8 の各アルゴリズムを用いて計算される。


HIMAWARI-8              
1 40267U 14060A   22123.84424494 -.00000272  00000+0  00000+0 0  9999
2 40267   0.0097 232.7222 0000372 144.4123 289.1553  1.00269285 27665

TLE(二行軌道要素/Two Line Elements)のフォーマットについて

2行軌道要素形式は、テキスト形式の1行69文字の2行 (Line 1 と Line 2) から成る。使用可能な文字は、英大文字 A-Z、数字 0-9、小数点、空白および '+' と '-' の符号のみである。

実際の利用においては、分かり易いように、Line 1 の前に Line 0 として24文字以内の衛星名を付加することが広く行われている。
Line 0 を付加して3行の形式とした場合でも、2行軌道要素形式と呼ばれる。

TLE(二行軌道要素/Two Line Elements)

Line 0

24桁の衛星名 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA 

Line 1

要素データ行番号  Line 1 では必ず '1'
衛星カタログ番号 (NORADカタログナンバー)BBBBB
軍事機密種別 ('S':秘匿、'U':公開、のどちらかの文字が来る。) C
国際衛星識別符号 (打上げ年のラスト2桁) DD
国際衛星識別符号 (その年の打上げの通算番号) EEE
国際衛星識別符号 (その打上げによる飛行体の通番) FFF
飛行体が1つの場合は3桁とも空白。飛行体が複数の場合は、各々の飛行体を区別する目的で左詰で 'A'、'B'、'C' ... 、'Z'、'AA' ...、'AZ'、'BA' ...、'ZZ'、'AAA' ...の要領で表す
元期 (年のラスト2桁) GG
元期 (続き) (その年の通日3桁、および該日における時刻を表す9桁の小数)  HHH.HHHHHHHH
先行する GG が示す年の1月1日0000 UTC を1.0と数え、それからの経過時間を日を単位として加算した値。
平均運動の1次微分値 平均運動の1次微分値を2で割った値。単位は(rev/day^2) +.IIIIIIII
主に地球の重力ポテンシャルの球対称からのずれにより発生する二体問題への摂動の影響を、平均運動について補正する。SGP4では、使用されていない。
平均運動の2次微分値 平均運動の2次微分値を6で割った値 単位は(rev/day^3)+JJJJJ-J
先頭0の0.が省略されており、末尾の数字が指数部を表す。
実際には使用されておらず、NASA、NORADなどの公表値は '00000-0'にセットされている。
BSTAR抗力項 大気による抗力が無視できない場合に用いる補正係数。+KKKKK-K
先頭0の0.が省略されており、末尾の数字が指数部を表す。
軌道モデル >この軌道要素を算出した軌道モデル(Ephemeris) の種別。 L
'0':情報なし、'1':SGP、'2':SGP4、'3':SDP4、'4':SGP8、'5':SDP8。
この情報は通常は使用されず、NASA、NORADなどの公表値は '0' となっている。
要素数 軌道要素通番。MMMM
軌道要素情報が更新されるごとに1ずつ加算される。 999迄増えるとそれ以上増えないで固定。
Line 1 チェックサム 
68桁までの各桁の数字を10進1桁の数と見なして単純に加算した総和を10で割った余り。ただし、数字以外の文字、空白、小数点、'+' は無視し、'-' は '1' と見なす。

Line 2

要素データ行番号  Line 2 では必ず '2'
衛星カタログ番号(Line 1 と同一)BBBBB
軌道傾斜角  PPP.PPPP 単位はdegree
昇交点赤経  QQQ.QQQQ 単位はdegree  
離心率 RRRRRRR 先頭に小数点があるものと見なされる。
近地点引数 SSS.SSSS 単位はdegree
平均近点角(Mean Anomaly)TTT.TTTT 単位はdegree  
平均運動 (Mean Motion)  UU.UUUUUUUU 単位はRev/day
元期での周回数 VVVVV
軌道上に打上げられてから最初に昇交点を通過するまでを 0 周目として、昇交点を通過するごとに 1ずつ増える値。下5桁までしか表示されないことに注意。
Line 2 チェックサム W


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自営無線通信のエンジニアをしていました。現在はコンピュータ系。理科っぽいものが好きなので、電子工作、BCL、アマチュア無線、RCカー、カブトムシ、金魚、熱帯魚、自作コンピュータ、カメラ、ドローンなど一通り通過しております。 現在は、飛ぶものと昔のものに興味があります。

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