地上系電波航法の比較
ロラン LORAN (Long Range Navigation)
(パルス信号の到達時間差で送信局との距離差を測定)
(パルス信号の到達時間差で送信局との距離差を測定)
電波:ロランA 1,750kHz~1,950kHzの中波、ロランC 100kHzの長波
精度:ロランA、Cとも数百m程度
精度:ロランA、Cとも数百m程度
デッカ航法 (Decca Navigator System)
(電波の位相差を検出して、距離の差を測定、高精度)
(電波の位相差を検出して、距離の差を測定、高精度)
電波:70~130kHzの長波
精度:100m程度
精度:100m程度
オメガ航法 (OMEGA radio navigation system)
(超長波を使い全世界どこでも測位可能)
電波:10.2kHz~13.6kHzの超長波(VLF : Very Low Frequency)
精度:1,000~2,000m程度
(超長波を使い全世界どこでも測位可能)
電波:10.2kHz~13.6kHzの超長波(VLF : Very Low Frequency)
精度:1,000~2,000m程度
双曲線航法
複数の固定された位置から送信される電波を受信し現在位置を測位する航法「2点からの距離の差が一定になる点の集合は双曲線描く」という幾何学の定理をそのまま利用して自分の現在位置を調べる。2カ所の送信局から、同期したパルス信号や連続波を送信する。受信側はパルスの受信タイミングのずれや位相差から2つの送信局と自分のいる場所の距離の差を知ることができる。距離の差が分かれば、地図上に自分がいる可能性のある点の集合、つまり双曲線を描くことができる。送信局がA、B、Cの3局なら、AとB、AとCというように組み合わせて受信することで地図上に2つの双曲線を描くことができる。双曲線の交点で、現在位置を割り出す仕組みになっている。
ロラン(LORAN=LOng RAnge Navigation)
基礎研究は1940年代初頭に米陸軍が開始しており、1942年に太平洋戦域で設置を開始した。戦時中から軍用の運用が始まり、戦後民間にも普及していった。主に使用する周波数の異なるロランAとロランCの2種類が運用された。
ロランAは1,750kHz~1,950kHzの中波を使用し、最高有効距離は日中約700海里(1296.4km)、夜間約1,400海里(2592.8km)
ロランCは100kHzの長波を使用し、最高有効距離は約2,300海里(4259.6km)で精度はおよそ30~300 m
ロランCは100kHzの長波を使用し、最高有効距離は約2,300海里(4259.6km)で精度はおよそ30~300 m
ロランはパルス信号の到達時間差(および位相差)で、送信局との距離の差を測位する。
ロランAは日本では昭和30年代に運用が開始され、1997年5月9日に廃止された
ロランCは北アメリカ大陸では2010年に廃止されている。日本では、2009年12月1日に南鳥島ロランC局、2013年2月1日に十勝太ロランC局をそれぞれ廃止。新島ロランC局は、2012年6月19日20時16分、海上安全情報では19時41分以降台風4号によるアンテナ障害で長期欠射中であったが、2014年2月1日午前9時に廃止された。そして、慶佐次ロランC局を2015年2月1日午前9時に廃止して、本システムの運用を終了した。
ロランCは北アメリカ大陸では2010年に廃止されている。日本では、2009年12月1日に南鳥島ロランC局、2013年2月1日に十勝太ロランC局をそれぞれ廃止。新島ロランC局は、2012年6月19日20時16分、海上安全情報では19時41分以降台風4号によるアンテナ障害で長期欠射中であったが、2014年2月1日午前9時に廃止された。そして、慶佐次ロランC局を2015年2月1日午前9時に廃止して、本システムの運用を終了した。
デッカ航法 (Decca Navigator System)
イギリスのデッカ社が1944年に開発された長波を利用する中近距離用の航行援助システム。デッカ局 (4局で1チェーンを構成する) の主従局から連続波の位相差をデッカ受信機で測定し、デッカチャートにより測位する。測定精度が高く、受信機の操作が簡単で、連続測定が可能である。 70~130kHzの周波数帯を用い、有効範囲は昼間 590海里(1092.68km),夜間 350海里(648.2km)である。日本では2001年4月1日に民間の運用が停止された。海上自衛隊掃海業務支援隊航法支援科においても50年間、掃海作業用の航法支援に運用されてきたが2020年10月1日に終了した。
オメガ航法 (OMEGA radio navigation system)
1950年代にアメリカ人ジョン・ピアース (John Alvin Pierce) によって、電波の到達範囲が1万km超と非常に広い超長波を使って、全世界どこでも電波航法による測位を可能にしようという提唱がされ、究極的な電波航法を意味するためにギリシア文字の最後の一文字 Ω (オメガ)を取って オメガ電波航法 (OMEGA radio navigation system) と名付けられた。周波数が、10.2kHz~13.6kHzの超長波を用いる為、電波到達距離が10,000kmと他の電波航法方式より広く、発信する送信局を全世界に8つ設置するだけで、地球全域をカバーできるという特徴があった。位置測定精度は1,000~2,000m程度。
1968年から順に送信局の整備が始まり、日本でも1975年に対馬オメガ局が開局し、全世界ネットワークの一翼を担った。対馬オメガ局の電波塔は454.83m、日本で最も高い構築物であったが、衛星系の電波航法の普及に伴い、1998年に閉局し、1999年に解体に解体されている。1997年9月30日に全送信局が航法電波送信局としての運用を停止した。いくつかの送信局は、電波でも海面下数十メートルまで到達可能な超長波 (VLF) の特性に着目し、海中を行動する潜水艦との軍用通信に使用されている。
1968年から順に送信局の整備が始まり、日本でも1975年に対馬オメガ局が開局し、全世界ネットワークの一翼を担った。対馬オメガ局の電波塔は454.83m、日本で最も高い構築物であったが、衛星系の電波航法の普及に伴い、1998年に閉局し、1999年に解体に解体されている。1997年9月30日に全送信局が航法電波送信局としての運用を停止した。いくつかの送信局は、電波でも海面下数十メートルまで到達可能な超長波 (VLF) の特性に着目し、海中を行動する潜水艦との軍用通信に使用されている。
GPSに主要航法システムの座を一度は譲ったものの再び注目されているLORANについて
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