肉眼でも見やすい 明るい人工衛星たち 人工衛星の明るさと星の明るさ

2022/04/27

宇宙 人工衛星 星空

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肉眼で飛行している人工衛星を観察するためには

国際宇宙ステーション(ISS)
出典:NASA

ある一部の人工衛星や国際宇宙ステーションなど、地球周辺を周回する人工物体も一定の条件がそろえば、肉眼でも見ることができる。それも、割と頻繁にそのタイミングが訪れている。未確認飛行物体のように勘違いしてしまうこともあるかもしれない。

肉眼で見ることができる可能性のある人工衛星

衛星カタログ番号国際衛星識別符号
国際宇宙ステーション(ISS)255441998-067A
HST (Hubble Space Telescope)  205801990-037B 

海洋観測衛星 (Seasat-A)

109671978-064A

熱帯降雨観測衛星(TRMM)

250631997-074A
上層大気研究衛星(UARS)217011991-063B

アクア衛星 Aqua (EOS-PM1)

274242002-022A

エンビサット衛星(Envisat 1)

273862002-009A
次世代型無人宇宙実験システム(USERS)   275152002-042A
測地実験衛星「あじさい」(EGS)169081986-061A

土星と木星の間を通過する国際宇宙ステーション(ISS)
土星と木星の間を通過する国際宇宙ステーション(ISS)
出典:NASA

人工衛星が見えるわけ

人工衛星は自ら発光するようなものはほとんどない為、太陽の光を反射して見える。地上が昼間の際には、空が明るく見ることはできない。この為、地上が暗く、人工衛星には太陽の光が当たっているということが必要。原則的に夕方や明け方にこのような条件になる。

 一般的に肉眼で観察するためには、以下のような条件が必要になる。

 1.人工衛星は原則的に夕方、明け方の薄暗い空に見られることが多い。
 2.軌道が低い衛星は見える時間が短く、逆に軌道が高い衛星ほど見える時間が長い。
 3.北半球では、冬より夏の方が可視期間が長くなる。
   (人工衛星がたくさん見える)
 4.地球の影の中に入って見えなくなったり、影から出てきて見たりすることもある。

人工衛星の明るさ

 人工衛星が多く光を反射するほうが明るく見える為、以下のような条件が適している。
 1.衛星と観測者との距離が小さいこと。
 2.太陽~衛星~観測者の角度(位相角)が小さいこと。
  (観測者から見て衛星が正面の方向から太陽光を受けているか(順光)
   裏側から受けているか(逆光)という違い。)
   順光の方が太陽光の当たっている面積が大きいので衛星は明るく見える。
   一般的に太陽が沈んだ反対の方角に見えている時の方が、衛星は明るく見える。)
 3.衛星自体が大きいこと。
 4.衛星の表面の材質が太陽光を反射しやすい材質であること。


星の明るさとの比較

国際宇宙ステーション・ISS(-1~2等級)
ハッブル宇宙望遠鏡(2~3等級)
熱帯降雨観測衛星 TRMM  (2~3等級)
シーサット SEASAT  (2~3等級)
測地実験衛星「あじさい」 EGS・(2~3等級)


星の明るさを示す、等星と等級

等星とは

星の明るさを6段階に分けた時のグループ。
6等星には最も暗い星たちが、1等星には全天の星の中でも特に明るい星々が分類されている。(同じ等星の星同士でも微妙に明るさに違いがある)
1等星は「おおいぬ座のシリウス」「こと座のベガ」「わし座のアルタイル」など、全天でもわずか21個しか存在しない。
北極星であるポラリスは2等星
最も暗い6等星は「晴れた夜空を見上げた時に、人間の肉眼でかろうじて確認できる程度の明るさであること」を基準として、決定されたもの。
現在では、6等星の(平均的な)明るさの約100倍が、1等星の(平均的な)明るさである。
(6等星と5等星の明るさを比べると、5等星の方が2.5倍明るく、さらに4等星は5等星の2.5倍明るくなる・・・と順を追って計算していくと、最終的に約100倍の明るさの1等星になる)絶対的な星の明るさを示すものではなく、6等星の明るさを基準とした相対的な星の明るさを6段階で分類したグループという事になる。

等級とは

星の明るさを表した単位。
全天で最も明るい1等星のシリウスは-1.46等級、シリウスと同じ1等星のアルタイルは0.77等級。(数字にマイナスが付いているシリウスの方が明るい)
さらに、すべての星の明るさの基準となるベガの明るさはほぼ0等級。
等級を用いることで、同じ「等星」に分類される恒星であっても、それぞれの明るさをより細かく表現できる。
ベガの明るさを厳密に表すと、限りなく0等級に近い0.03等級です。しかし、ベガの明るさは「(ほぼ)0等級」とされ、他の星たちの明るさを測るための基準「ベガ等級」として用いられている。
等級や等星の数字が小さければ小さいほど、その星が明るいことを意味している。
等級は、地球上から見た時の星の明るさを表す「見かけの等級(視等級)」と、星の実際の明るさを表す「絶対等級」とに分けられる。

明けの明星 宵の明星

太陽が昇る前(明け方)に東の空に明るく輝く星(金星)を「明けの明星」、太陽が沈んだ後(日没後)に西の空に明るく輝く星(金星)を「宵の明星」と言う。
肉眼で観察できる時期の金星はおよそ-4等級で、明るいときには-4.7等級。

参考 主な惑星の最大光度

火星 -3.0等級
木星 -2.8等級
水星 -2.4等級
土星 -0.5等級
全天一明るい恒星、おおいぬ座のシリウス -1.5等級

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